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vol.23 『ダーマの神殿はどこにある?』

ダーマの神殿ってご存知でしょうか?
これ、あの有名な「ドラゴンクエスト」というゲームに出てくる神殿の名前なんです。
細かい説明は省きますが(ゲーマー丸出しになっちゃいますので(笑)、ようはゲームに登場するキャラクターが職業を転職したい時に訪れる神殿なんです。現実世界では「ハローワーク」ってとこですかね?
今回のお話は、う~ん…例えば、大手電気店で買った商品が壊れたからと言って、全く違う電気会社に勤めているご近所さんにクレームを付けているような…?ま、そんな感じのお話なんです。
それでは、どうぞお楽しみください。
 
 
————–2005/01/23 発行 第23号———————–


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■ハンドルを握ったサルと愉快な仲間たち
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 『ダーマの神殿はどこにある?』
 配達から帰るとボクの机に一通の封筒が。
 宅配便の配達するものは荷物だけじゃなくて
 最近は「メール便」なるものが、多くなってきたんですよ。
 
 メール便というのは、受領印を貰わないかわりに格安で書類などを
 ポストに配達するサービスなんです。
 分かりやすく言えば郵便局の手紙の配達みたいなものですよ。
 これの需要ってすごくあって、最近はメール便がかなり増えましたね。
 だから封筒が机の上に置いてあったのをメール便なのかな?と思ったんで
 すが、これが事件の種だったとは…。
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 さて、伝票整理も終わって今日の仕事は終わり!
 さぁ帰ろうと思ったら、内勤の女性(通称ピヨ)が声を掛けてきました。
 「柏城さん。封筒置いてなかった?」
 「ん?あったけど、あれメールでしょ?明日ポストに入れてくるよ」
 「いやあのそれ、今日の8時過ぎなのよ」
 「はぁ?メールだろ?なんで時間指定されてるんだよ?」
 前述したけれど、メール便は格安のかわりに手渡しではなく、
 ポストインすればいいわけで…。
 それがなんで時間指定されているのか?
 「あのね、それバイトの島田さんが拾って来たのよ。それで…」
 話を聞くと…
 バイトの島田さんが出勤する時に道に落ちていた封筒を拾ったそうです。
 どこかに届ける時間も無いために、ここまで持ってきた。
 「それで?」
 それで一息ついたところでピヨにどうしたらいいか相談したわけです。
 でも、ピヨも忙しかったし、島田さんの説明も悪かったらしくて
 ピヨは「ここに入荷したメールであり、住所不明なのだ」と勘違いを
 したそうなんです。
 「それから?」
 ピヨは、島田さんに番号案内(104)で電話番号を聞いて、お客さんに
 電話して正住所を教えてもらうように指示をしたんだそうですよ。
 
 そこで島田さんは住所を調べる事に成功したわけですが…
 「それで今日8時過ぎにしか帰らないっていうのよ~ごめんねぇ」
 「…へ?いや、あのさぁ、だから何でそうなっちゃうの?」
 「ホントごめん!私が電話してれば8時なんて取らなかったんだけど」
 「あのね、そうじゃなくて…8時過ぎがどうとかじゃなくてさ、これ拾っ
  たんでしょ?なんでそんな事になっちゃうの?」
 「ホントよねぇ、メールなんだからポストでいいのにね」
 「そうじゃないよ!拾ったんだろ?しかもよく見ろよ。
  料金後納郵便って書いてあるよ。郵便局のじゃん。
  何でこっちが時間指定までされて届けなきゃいけないの?
  電話で落し物だって言ってないの?」
 「あ、そうか!そうだよね。」
 「今頃気付くなよ…」
 こっちが拾った事を言わないで、ただ単に住所不明みたいな電話を
 掛けて相手を勘違いさせてしまったのか、それとも落し物なのに、
 「拾ったんだからこっちの都合に合わせて届けてくれ」
 とワケのわからない事を言う相手だったのかソコが分からない。
 「とにかくもう一回電話して落し物なんだって言ってみてよ」
 配達する(いや、この場合は”届けてあげる”が正解だが)のは
 簡単だけど、なんとなく面白くない。
 だってそうでしょ?
 届けてあげるのに時間指定するなんてオカシイ。
 それに部外者のボクにその役が廻ってくるのも納得できない。
 「じゃ、どうする?ポストに入れるって言う?」
 「そうじゃなくて、取りに来るか、そうじゃなければ郵便局に電話して
  落ちてたって言えばいいだろ」
 それなのにどちらも電話に出ないそうなんです。
 
 「どうする~?行ってくれる?8時なんだけど…」
 なんで?
 どうして分からないんだよ!
 なんかボクが悪い事したの?
 これってボクの失敗なの?
 「行くわけないだろ!」
 
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 …と言いながら、封筒の宛先の住所に来てしまった。
 我ながら情けない。
 らちあかないし、こんな事でデポ内で揉めるのもいやだったから。
 ボクがポストに入れりゃいいんでしょ。
 ただし、8時なんて時間は守らないけどね。当然でしょ。
 さ、ポストに入れて帰ろうと車を降りると宛先の住人が玄関の前に!
 ちょうど帰って来たみたいです。
 グッドタイミング。落し物なんだってハッキリ言ってやろう。
 「○○さんですか?先程電話した△△運送なんですが、
  この”落ちていた封筒”を届けに来ました。」
 –え?落ちてたの?ごめんなさい!電話では勘違いしてしまって
  わざわざどうもすみません。ありがとうございます!–
 こんな返事を期待していたのに帰ってきた返事はなんと
 「8時って言ったでしょ?時間指定が守れないなんてどういう配達を
  しているの。お宅の会社は?」
 はぁ?何だって?よく聞こえなかったなぁ?
 こっちの言う事聞いてなかったのかぁ?
 もう一度ハッキリ言ってやるかぁ?
 「これねぇ、ウチのバイトが道に落ちていたのを拾ってくれたんですよ
  それを帰り道だからボクが届けにきたんですよ。」
 ホントはゼンゼン帰り道じゃないけど説明するのが面倒だったから。
 
 「だからそれを8時に届けるように言ったでしょう?約束不履行よ。
  責任者に電話するわ」
 なんだと!コイツ、全っ然聞いてないなぁ。
 客でもないし、こっちに落ち度はないんだから強気でいいですよね?
 言ってやりました。
 「あのねぇ、落し物を届けにきてやった人間に向かってその言い草は
  ないでしょう?何考えてるんですか?あなたがウチまで取りに来るのが
  正当でしょう?親切に届けてやったのに損した」
 「まぁぁぁーっ!なんて事言うのかしら!信じられないわ。客に向かって
  言う言葉じゃないわ。信じられない教育している会社だわっ」
 そう言ってドアをバタンと閉めてしまいました。
 ワナワナ震えながら言うなよな。
 しかも客じゃないし…。
 くそ、ハッキリ理解させてやりたかったけどな。
 あんな風に言われて面白くない。
 ところが次の日はもっと面白くないことになってしまったのです。
 
 翌朝すぐに本社から電話がありました。
 ボクを呼び出してです。
 そうなんです。
 昨日の件なんですよ。
 事情を聞きたいってことで。
 当然、ハッキリ時間をかけて説明しましたよ。
 ま、本社は事情を聞いてすぐに納得したんですが、数日後…
 ウチの会社では月初めに「先月の反省」と題したファックスが各デポに
 送られてくるんですよ。先月起きた問題とか、今月の目標を書いたもの
 なんですけどね。
 そこに信じられない文字が!
 
 「○○デポ–柏城配達員。
       お客さんに暴言を吐き、出入り禁止。
       この問題はまだ未解決。解決に向けて継続中。」
 なんでそうなるんですかー!?
 ボクの責任?本社は理解してなかったのか?
 お客さんってなんだよ?
 お客じゃないだろ!
 それとも、配達を生業としている人間は落し物を拾っても
 それを届ける使命があるのですかー?
 
 はぁぁ、ダーマの神殿に行って転職の相談したいですよ。



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