今回のお題は何にしようか?
アレにするか、コレにするか?
悩んでいましたが、季節柄やはり繁忙期ネタでいきましょう。
——————-2004/12/05 発行————
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■ハンドルを握ったサルと愉快な仲間たち
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『不幸のハンカチ』
お歳暮。
この時期は、通常の3~5倍もの荷物の量になるんです。
ですからこの時期だけの短期アルバイトを募集するんです。
ほら、新聞の折込広告でもよく目にしますよね。
「お歳暮の配達」って。
しかし、アルバイトさんが応募してきてくれても安心はできません。
「じゃあ、明後日からお願いしますね」
と、言っても実際に来てくれるのは7割くらいでしょうか?
何故なんでしょうね?
他の業界ではこんなに「率」悪くはないでしょう?
うちの会社の雰囲気が気に入らなかったのか、
はたまた、もっと条件の良い所をみつけたのか?
実はもっとも多い理由は
「家族が反対したから」という理由なんです。
ま、ホントかどうかは分かりませんがね。
クルマの仕事で危険だからという事は一理ありますからね。
そんなものですから、来てくれたバイトさんの事は大事にしますよぉ。
もう手取り足取り。
…それが行き過ぎてしまったのが今回の事件です。
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うちの所長、かなりの嫌われ者なんです。
いつも威張ってばかりで、常に怒鳴ってる。
怒鳴れば問題が解決すると思っているんでしょうか?
そんな所長ですから、アルバイトの人たちの面倒なんてみない。
全部、配達員任せにしてます。
逆に考えると、余計な事して変な風に教えないから
やり易いっていえばやり易いのですが…。
その所長が、今度のアルバイトさんと「同乗」するって言い出したんです。
ちょっと謎でしたが、そのアルバイトさんの初出社の時に
理由はすぐに分かりました。
一目瞭然でした。
カワイイんですよ!
男の職場ですから女の子はすぐにアイドル。
面接の時から目を付けたのでしょうか?
それこそ手取り足取りで教えています。
その横顔がデレデレと…情けない。
しかし、みんなの視線など気にもせずに所長はウキウキ気分のようです。
「じゃ、柏城さん。行ってくるから♪」
そう言って、所長はアルバイトさんの運転するクルマで配達に出掛けて
行きました。
デートじゃないっての!
な~に、そんなにウキウキしてんだよ。
アホらし。さっさと自分の仕事しちゃおう。
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荷物を積むのに約30分くらいかかったでしょうか?
さぁ、出発!と思ったところに、さっき所長と配達に出たアルバイトさん
が、戻って来たんです。
女の子ひとりで。
「あれ?忘れ物ですか?」
ボクがそう声を掛けると、
「あン?スケベジジイとは仕事できねぇっつーの!」
どわっ!
この娘、こういう喋り方するんだ。
「…ど、どうしたんですか?」
少しビビリながらボクが聞くと
「あンの、くそジジイ!ハンカチ取るふりして何度も足ぃ触るンだよ!
何度も何度も!しかもそれ、アタシのハンカチだっつーの!」
女の子の怒鳴り声に、一瞬シーンとなったデポが
すぐに大爆笑!
話を聞くと、1件目のマンションで10階まで荷物を階段(なんで!?)で
上がって届けた後、クルマに戻ると
「いやぁ~、大変でしょう?でも大丈夫!ボクが面倒みますからね。
しかし、10階はキツイねぇ」
そんな事を言いながら、サイドブレーキレバーに掛けた女の子のハンカチ
を勝手に使い、汗を拭いたという。
「あ、ごめんごめん。これキミのハンカチだったね(笑)」
うげげーっ!
しかも何度も同じ事を繰り返して、あげくの果てには
サイドブレーキレバーのハンカチを取りそこなったように、
足に手をおいたりして
「あ、ごめ~ん(笑)」
なんて言ったっていうんです!
そりゃ怒るよ。キモチワル過ぎ!
「それで、所長は?」
「次の配達に出発して、迷ったふりして山に捨てて来た」
でかしたっ!
キミはよくやった!
「わははーっ!どこの山?」
デポ中の配達員が集まって来て爆笑しながら話を聞いています。
みんなの様子に、女の子の方が冷静になってきて
「な、何?アイツ嫌われ者なの?」
「そのとーり!それでどこの山なの?見に行こーぜ!」
もうみんな仕事どころじゃなくなっちゃいました。
ま、もちろんみんなひとしきり笑った後に配達に出掛けましたけどね。
…それから2時間後に所長は歩いて帰って来たそうです(爆)