繁忙期ともなると、荷物の量は通常の10倍にもなります。
そんなわけでアルバイトさんを大量採用するんですが
このアルバイトさんは、配達員だけじゃなくて内勤も募集するんです。
それは、いわゆる仕分けってやつですね。
トラックでデポに入荷した荷物を配達員のエリアに分ける仕事です。
ところが、これが毎回楽しみ!
い、いや、そういうわけでもないんですが内勤のアルバイトさんって
圧倒的に女性が多いんですよね(汗)
今回はそんなアルバイトさんたちの、ドタバタを紹介しましょう。
————–2005/06/29 発行 第37号———————–
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■ハンドルを握ったサルと愉快な仲間たち
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『ニヤリの朝の楽しみ』
繁忙期に来る、アルバイトの女性陣ですが
主な仕事は「仕分け」と「伝票整理」「電話受付」です。
そんな中、朝の彼女たちの仕事に「アタリ」という仕事があります。
「アタリ」とは、配達員が荷物を積み込む時のサポートですね。
配達員は、朝のうちに今日廻るルートを組みます。
毎回同じルートではないので、時間指定などを考えて伝票とにらめっこ
しながら順番を組んでいきます。
組み終わったら、伝票番号をコンピュータに取り込みます。
これが今日持ち出す荷物のデータとして「荷物追跡サービス」等で
利用されちゃうわけですね。
そして、それをプリントアウトして、その紙を頼りにアタリをします。
ま、その辺りの仕組みはそれぞれの会社によって違うでしょうけどね。
ウチの場合は、プリントアウトした紙を内勤さんに渡して
アタリのサポートを頼むわけです。繁忙期だけね。
ところでこの「アタリ」という作業ですが
女性陣には楽しみな時間でもあり
苦痛の時間でもあるようなんです。
アタリする時に、慣れているレギュラー配達員達は冗談とかを言って
楽しませたりするんですが、中にはとんでもない輩もいるんですよねぇ。
今回はそんなとんでもない輩のお話です。
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最初っから「なんだか変な人だなぁ」とは思っていたんですよね。
歳は50前後?結構バリバリ働きそうな雰囲気はあるんだけれど
目付きが怪しかったんですよね。
下から見上げるように見る癖があるのかもしれないけれど
ケンカ売ってる感じでもないし、かといって卑屈な感じでもない。
なんだか繁華街の裏通りにいそうな感じっていったらいいかな?
見上げる目付きの時に、口元が少し上がるんですよね。
あ、そうか!「ニヤリ」だ。
そう、いつもニヤリとしてるような目付きといえばいいのか。
そうか~、じゃこのメルマガの中での呼び名は「ニヤリさん」だ。
このニヤリさんについて、内勤さんからクレームが付いたのは
繁忙期が始まって、すぐの事でした。
「もう!柏城さん!ニヤリのアタリやりたくなーいっ!」
プンプンしながら内勤さんが怒ってきました。
ボクからすると怪しいのは目付きだけかと思ったんですけど
どうも怪しいのは目付きだけじゃなかったようですね。
話を聞くとニヤリはアタリの時に、サポートしてくれる内勤さんの
体をわざと触るんだそうです。
アタリはサポートの内勤さんが、プリントアウトした紙に書かれた
商品番号をたよりに品物を棚から探して、配達員に渡します。
この、品物を受け取る時に手を触ってきたり、
品物と間違えた振りをして腕を触ったりするそうなんですよね。
最初のうちは「わざとじゃないんだろうな」と思っていたらしいけど
そのうちに、オッパイを手の甲でピタピタと触ってくるようにまで
なったらしいんですよね。
そんなんですから内勤さん達から嫌われるようになって
ニヤリさんが荷物を積むために、紙を持って仕分け場に来ると
内勤さんたちは、パーッといなくなっちゃうんですよ。
事情を聞いたからには手を打ってやる!
ひとりだけそんなオイシイ思いさせてたまるかってんだ!
あ、いやそうじゃなくて…。
みんなに気持ちよく仕事してもらうために手を打とう!(汗)
ま、内勤さんは女性だけって訳でもないので
今日からニヤリのアタリは男性にやってもらおう。
でも、どんな感じなのかボクも見てみたいし
今日はボクがアタリやってみようかな?
というわけで、ニヤリが紙をピラピラさせながら
仕分け場に来たのを見計らってボクが近寄っていきました。
「暇だから手伝うよ」とか言ってね。
最初は笑顔で冗談とか言いながらアタリ始めたんですが
隣の積み込みスペースでは女性陣たちが楽しそうにアタリをしている
のを見ているうちに、だんだんとニヤリは無口になっていきました。
女性陣たちからすれば、ボクが代わりにやってくれて助かったと思う
反面、ニヤリに対しては「ざまあみろ」という気持ちが少しはあった
のかもしれません。
今日のアタリは殊更楽しそうにしているんです。
こっちでも「はいっ!はいっ!」あっちでも「はい!はい!」
それに加えて他の配達員との冗談の言い合いでケラケラと笑いながら
楽しそうにアタッています。
反比例するようにニヤリは、だんだんと無口に。
(意識してんなぁ)とボクも感情が伝わってきます。
そこに追い討ちするようにボクが
「ニヤリさん頑張っているから明日からジョーさんに
アタリ頼んだからね!ジョーさんアタリ早いぜ~」
そう言ったとたん、ニヤリが壊れたんです。
「イヤです。俺は女がいい」
それを聞いた内勤の女性が(特に気が強い人なんですけどね)
「誰もアンタのアタリなんかしないわよ」
と、言い返しちゃったんです!
そして…ニヤリ完全崩壊。
「じゃ、じゃあ俺は何を楽しみにすればいいんだよ!
お、俺はオッパイ触れないのかよっ!○○さんっ!
もう触らせてくれないの??!」
「はああぁ~~??」
もう、みんな唖然としました。
特に名前を呼ばれた内勤さんは、気持ち悪そうにニヤリを見ていました。
ニヤリは止まりません。
「ねぇ○○さんっ!どうなの?もうダメなの?」
「何言ってんの!もうダメなのって何なのよ!
触らせるわけないじゃないの、バカじゃない?!」
「いやだぁーっ!うわああぁーっ!」
ニヤリ完全暴走。
突然○○さんの方へ走り出したのです。
これにはみんなも焦りましたが○○さんも焦ったでしょう。
「なんで私なのよーっ!」
そう繰り返しながら仕分け場を逃げ回り始めました。
ボクが「何やってんだコルァァー!」と叫ぶと
唖然としていた全員も走り出し、ニヤリを追いました。
ところが、一番最初に追いついたのが内勤の別の女性。
ニヤリの肩を掴んで、やめなさいよ!と言ったのはいいんですが
逆にニヤリの標的にされてしまったのです。
ニヤリが、ニヤリと笑ってその女性に向き直り
突然、”むんず”とその女性の胸を掴んだのです!
そして…
「君ならいいの?」
と、ふざけた事を言ったのです。
でも、そこまででした。
ニヤリに突然オッパイを掴まれた女性が、
近くにあったビールギフトを片手で(片手で!)掴んで
「テんメェー!ふざけんじゃねぇーッ!」
そう言いながら、ニヤリの頭をぶん殴ったのです!
ニヤリ撃沈…。
い、いろいろな人がいるもんですよね(汗)