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■ハンドルを握ったサルと愉快な仲間たち
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　『通行手形、お持ちですか？』
　
　
　
　その昔、天下を統一した徳川家康は、江戸防衛のために江戸を中心とした
　五街道の要所に関所を設けました。
　「入り鉄砲に出女」です。
　それは厳しい取締りがあったそうです。

　町に入れば入ったで、夜にもなれば「木戸番」なんてもんがありまして
　夜の江戸は自由に行き来なんて出来なかったそうなんです。
　役人や産婆さんは通れたそうなんですが…

　いや話が脱線気味ですが、今回のお話の主役は「受付」の話なんです。

　一般住宅に配達なら玄関先のチャイムを鳴らせばいいんですけど
　会社に納品だとそうもいきません。

　町の工場なんかですと「こんちは～」と声を掛ければ「お、まいど」と
　すぐにサインしてくれて納品完了なんですが、問題は大きい会社や
　スーパーやデパートなんです。

　大抵は「納品所」とか「納品受入」なんて入り口があってそこから納品。
　もう少し大きい会社等では「受付」があって「納品受入」に納品。
　これが基本形ですね。

　この「受付」では「記帳」する事も多いですね。
　記帳の内容は、納品者の「氏名」「会社名」「車のナンバー」等を
　記入して、会社によっては入館許可証をもらって
　入場するのですが、ところが、ここに今回の「流行」があるんですよ。
　
　
　それは…
　
　「免許証拝見」

　これなんです。
　
　
　まるで酔っ払って車の中で眠り込んでいるのを
　警察官が懐中電灯をこちらに向けて窓をコンコンしながら
　「免許証拝見」って言ってるみたいに。
　（酒酔い運転はだめですよ～）

　今までは「記帳」で済んでいたものが、
　あちらの会社でもこっちの会社でも、
　やたらに流行りだしたのが「免許証拝見」なんです。
　
　
　　
　見せなきゃいけないんですかね？免許証。
　ただ納品に来ているだけなのに。
　
　
　
　それだけじゃないんです。
　ひどい所になると、見せるだけじゃなくて「預ける」んですよ。
　入館許可証と引き換えに。人質？

　初めてそう言われた時に「え？渡すんですか？」と聞いたんですよ。
　だって身分証明書ですよ。ＩＤカードですよ。
　これサラ金に持って行きゃ、お金借りられちゃうんですよ。
　
　そしたら「許可証と引き換えだから」と。
　「預けてくれないなら納品できないよ」と。
　
　
　
　預けなきゃいけないんですかね？免許証。
　ただ納品に来ているだけなのに。
　
　
　　
　コピーとる所まで出てきたんです。
　「コピーとってよろしいですか？」ってご丁寧に聞いてくるんですが
　ボクら納品業者が「駄目です！」とか言えないですよ。

　ボクらが来たくて来ているわけじゃない。
　納品だから来ているのに、
　ボクらの免許証を預けなきゃいけないんですかねぇ？
　場合によってはドライバー達には飯の糧ですよ。

　ちょっとネットで調べてみましたが
　警察官に職質された時でさえ、見せる義務はあるが渡す義務はないと
　書いてありました。

　警察官でもない会社の受付に、
　大事な大事な免許証を提示したり渡したり、
　コピーをとらせてもいいんでしょうか？
　それで悪用されたらボクらの責任なんでしょうか？

　それに会社側にはボクらの免許証を提示させたり
　預かったりする権限があるんでしょうか？
　ネットで調べてもよく分からないし、なんとなくモヤモヤしているんです。

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　免許証の話とは、ちょっとズレちゃいますがこんなのもあります。
　それは「お菓子の製造会社」の納品なんです。
　
　お菓子の製造ですからね、外からの雑菌は厳禁ですよね。
　それはわかります。

　だから納品の際には、その会社の用意した「帽子」「白衣」「靴」を
　借りて入館するんです。もちろん着用してですよ。
　会社によっては「マスク」も着用するんです。

　それでお菓子を製造している横を通り抜けて各部署に納品。
　…そうまで厳重にするなら外に納品所作ればいいんじゃない？
　だって荷物を載せて押しているこの台車はボクのなんですよ。

　いろんな所を走り抜けてきた百戦錬磨の台車なんですよ。
　雑菌だらけですよ、正直言って。
　本気で考えているのかなぁ？と思いますよね。
　もしかして、その格好するって事が大事なの？