ま、人生いろいろありますよねぇ。
宅配便 って仕事も同じですね。
仕事ですからね、多少の嫌な事はあるんでしょうが、
今回のお話は、強烈だったなぁ。
とりあえず、ブログ(メルマガ)用にやんわりと書いたものです。
 
 
—————2004/12/12 第18号—————–


 
 
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■ハンドルを握ったサルと愉快な仲間たち
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 『魂を抜かれた召使い』
 …う~ん。悩む。
 何を悩んでいるかといえば、このお話の出だしなんです。
 あの時の事件は鮮明に思い出せるんですが、
 そこの家に着いた時どうだったか?
 チャイムを鳴らすまでどうだったのか?
 何か、お話の出だしに相応しい事がなかったのか、
 考えても何も思い出せないんです。
 
 いや思い出せないと言うよりも、
 特別変わった事があったわけではなく
 ただ普通に配達して通りすぎるだけだったはずだから
 印象に残っていないという事なのかも。
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 チャイムを鳴らすとすぐに返事が返ってきました。
 玄関のドアを開けて顔を覗かせたのは、40歳くらいの女性。
 パッと見は、センスの良い清楚な女性。
 大きな家なので門から玄関のドアまでは7~8mくらいあると思います。
 顔を覗かせた女性に向かって「こんにちは~。お届けモノです」
 そう言うと、女性は何も言わずに奥へ引っ込みました。
 経験上、これはハンコを取りに行ってる事だと思いました。
 いつもなら門を開けて玄関前まで行くのですが、
 門には鍵が掛かっていましたし、
 初めての家ではなるべく門の外で待つ事にしています。
 顔を覗かせた時に「どうぞ」とか言ってくれればいいのですが
 勝手に入った事でクレームになる事がたまにあるからです。
 しかも門には鍵が掛かっているのですから入ろうにも入れません。
 しかし、ハンコを取りに行ったにしては時間が掛かっています。
 もう1分くらい経っています。
 ”居る”事がわかっていながら待つのは結構イヤなものです。
 それでも、もう一度チャイムを鳴らすのもイヤなのでじっと待ちます。
 しかし、あまりにも出て来ない。
 もうすでに3分。
 あと1分待っても出て来なかったら、もう一度押してみよう。
 もしかしたら、セールスと間違えて無視しているのかも?
 そして1分経過。
 チャイム押します。
 すると、押した瞬間といっていいほど早く玄関のドアが開きました。
 いや、ただ開いたのではなく、蹴り開けられたのです!
 先ほどの女性が蹴りを入れた格好で立っています。
 
 
 「あなた何考えてるのっ!さっさと入りなさいよっ!」
 
 怒り心頭という顔で女性はそう言い放ちました。
 そのあまりの剣幕に驚いたボクは、何がいけなかったのかと考えながらも
 当然、鍵が掛かっている事を伝えました。
 
 しかし、女性はそれで納得するどころか
 裸足のまま飛び出して来て、鍵を開けてから
 
 
 「さっさと入りなさいよ!この馬鹿がっ!」
 
 
 馬鹿??
 
 何がなんだかさっぱりわかりません。
 一体なんでこんなに怒っているのか?
 なぜ裸足で飛び出して来る必要があるのか?
 まったくわからない。
 こんな事があれば、ボクの方が怒るんじゃないか?と
 今なら思うけど、この時は”ワケワカンナイ”そういう気持ちでした。
 
 
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 釈然としない気持ちながら、玄関に入ったのですが
 この時はまだボクは、善意に解釈していたと思います。
 誰かと勘違いしているのだろうか?
 人に見られてはいけない生活をしているのか?
 何か面白くない事があった直後だったのか?
 そう考えていたと思います。
 しかし、そんな気持ちはこの後、吹っ飛んでしまいます。
 ボクの前を歩いていった女性は、玄関に入るなり
 クルッと振り返り、ボクを”この世の仇”のようにもの凄い怒りの顔で
 
 
 
 「何考えたらそんなに馬鹿になれるの?
    まったく、親の顔がみてみたいわっ!
      仕方ないわね。ロクな教育受けてないんだから
        馬鹿に教育って事もないか。はーっははははははっ!」
 
 
 
 ………そう言ったのです。
 何故ここまで言われなければならないのか?
 何が、そうさせてしまったのか?
 全く訳がわからない。
 しかし…。
 話はここで終わらない。
 修羅場はまだ先に待っていたのです。
 
 
 
☆このお話は次回に続きます。