時は2005年の春。花粉症の季節のお話です。
例年の30倍とも言われていたのは知ってるくせに
何の対策もしなかったんですよねぇ。
予想通り、ひどい花粉症の症状が出ました。
外を走り回る仕事ですからねぇ。大変ですよ(T_T)
早めの対策をしておけば良かったと後悔ばかりです。
そんな中、花粉症を少しでも抑えようとしたボクですが
まさかこんな目に遭ってしまうなんて…。
————–2005/04/02 発行 第30号———————–
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■ハンドルを握ったサルと愉快な仲間たち
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『花粉症対策はこれでバッチリ!?』
ボクはマスクが出来ない。
いや、出来ないというより面倒なんですね。
それというのもボクは、マスクを帽子と同列に考えていたのです。
ほら、配達行って「ありがとうございました」と言う時に帽子を
パッと取るじゃないですか。
あんな風にマスクも取らなきゃならないかなぁ~?って。
そんな風に思っていたんですよね。
いちいちマスクの先端を摘まんで、あごの所へシュッと下げて
「どうもありがとうございました」ってね。
でも、その度にマスク取っていたら何だかマスクしている意味ない…。
それに、このメルマガにもよく登場するウルサイお客さん(?)に文句
言われたら嫌じゃないですか。
「なんでマスク取らないんだ!失礼な奴だな」とか。
考えすぎかな。
しかも鼻水が次々と垂れてくるのにマスクなんてしていたら
すぐ汚れちゃうでしょう?
あと、怪しい人に見られたりしても嫌だし…。
マスクっていうと、どうも湘南爆走族(古ッ!)のイメージあるし。
(いや、湘爆は愛読書だったくらい好きですよ(^^))
そんな印象ばかりなのにあなた、マスクなんて出来ますか?
薬局行って「おばちゃんこのマスクひとつちょうだいな」
なんて言えますか?
え!できる?できちゃうの?
なになに?この時期マスクしていたら花粉症なんだってわかる?
う~んそんなもんかな?
ずいぶん世の中変わったものですね。
ボクが花粉症になった20年くらい前は
この苦しみなんて誰も理解してくれなくてずいぶん苦労しました。
「病は気から」とか「体弱ぇ~な。気合で治せ」とかね。
電車だってそうです。
くしゃみ鼻水が苦しくて、ひと駅乗るのが辛くて途中で何度も
降りたものです。だから出不精になっちゃったりして。
今みたいに薬も無くて、鼻炎の薬や風邪薬を混ぜて飲んでいました。
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ところがボクはあるきっかけからマスクをかけることになったのです。
そのきっかけというのは、あまりにもくだらないから書きたくない。
でも書かないと何で書かないんだとか、ボクが想像も出来ないくらいの
全く違う理由を考えられてしまうのも嫌なので、書くけれども
ボクはくだらない事を承知で書くのだから笑ってはいけないですよ。
実は虫が入っちゃったのです。
ボクの口の中に。
配達中、鼻がたれたり詰まったりするのでどうしても口をぼけっと開けて
息をしてしまうのですが、その時にスポッと小さい虫が口に入ったのです。
おわっと思った時はもうすでに吐ききれない所まで入ってしまったようで
ぺっぺっと唾を吐いても取れない。
取れないどころか、体の中を飛び回っている感じがする。
まさかそんな事はないのだろうけど、
今までに感じた事の無い何とも言えない気持ち悪さ。
うえぇ~と思っているうちに咳が止まらなくなった。
体の中でブンブン飛び回る虫。
ううぇえ~!気持ち悪い!咳が止らない
ゲホッゲホッ!ゲボゲボッ!
息出来ない、苦しい。
デッカクなったピッコロ大魔王の体の中で
孫悟空が暴れた時のピッコロの気持ちがようやく分かった。
本当に苦しかったんですよ。
…そんなわけで薬局で「マスクひとつください」と言ったわけです。
ほら!ホラ笑った!
だからくだらないって言ったじゃないですか。
背に腹は代えられぬとはこの事です。
腹減ったタコが自分の足を食うとはこの事なんです。
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しかしこのマスク、かけてみるとすこぶる調子が良い。
花粉の苦しさが1/10になった気がする。
おおー!いいなコレ!
これならたれてきた鼻水も隠せるし、くしゃみして口を押さえた手が唾で
汚れることもない。
やるな!マスク!(^o^)丿
もうこれで、「鼻水がたれそうなんだよ~、早くしてくれよ~」と
お客さんの前でイライラする事もない。
いや、むしろ鼻水をたらしたまま、それを楽しむ余裕すら感じる。
う~ん、気分は昭和40年代の洟垂れ小僧か?
「おばちゃ~ん荷物持ってきたよ」
なーんて半ズボンにランニングシャツで
10円ハゲ有りの坊主頭の洟垂れ小僧。
くくく…(^^)。
見た目はマスクかけたただの配達員だけどマスクの下でそんな事を考えて
るとも知らずに。
おおっとイカンイカン!変な方向に行きそうだった。
ともかく、マスクのおかげで調子よく配達に専念できたわけです。
だって今まではあなた、
1軒配達したらダッシュでクルマに戻って鼻かんでたんですよ。
なんで?
なんでってゆっくり歩いてたら鼻がたれるじゃないですか。
下向くと蛇口を捻ったように自動的に鼻水出ちゃうくらいなんですから。
それが鼻かまなくたっていいんだって言ったらこりゃ天国ですよ。
おまけにくしゃみも止まるし。マスク様様ですよ。
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ところが───
さぁ、みなさんお待ちかねのシーンがやってきましたよ!
では、みなさん声を合わせて、せーの!
「ところが悲劇はここから始まったのです」
ある大きな道路のカーブを曲がった時に、
いきなりグワーンと世界が回ったのです。
もっと正確に描写するとカーブを曲がった瞬間ガクガクッとクルマが
変な動きをしたんですね。
まるで遊園地のコーヒーカップに乗ってどこかのいたずら坊主が真ん中の
ハンドルを「これでもか」っていうくらいグルグル回している状態。
そうじゃなきゃ、サーフィンしていてワイプアウトして波にグルグル
もまれている感じ。
または、最近の学校の運動会で流行っている、バットを額にあてて
それを中心にグルグル回ってからまっすぐ走るあの競技。
……よけいわかんないか。
要するに目が回った感じかな。
その時のボクは「あー!マズイ、タイヤが外れた!」と思ったんです。
あまりにも急激な挙動。
クルマ自体がスピンでもしたような感じ。
「やばい。停めなきゃ」
そう思った時、フロントガラスいっぱいに広がる対向車。
「なにっ!?」
そうです、ボクは反対車線に飛び出していたんです。
「くっ!」
ブレーキじゃなくてアクセル!
そして思いっきり右へハンドルを切る。
耳をかすめるように鳴り響くクラクション。
タイヤが激しいスキッド音を上げる。
…そして
…停まった。
「ぷはっ!」
ゼイゼイ…死ぬかと思った。
大きなため息をついてハンドルにもたれかかったボクですが
なんだかおかしい。
あ、あれ?まだ回ってる?
そうなんです。
クルマは運良く脇道に入った所で確かに停まっているのに
ボクはまだ回っているんです。さっきよりも激しく。
あれ?どうしちゃったのかな。
ぐわんぐわんぐわん。
そうか、回っていたのはクルマじゃない。ボクだ。
ボクが急にめまいを起こしたんだ。カーブを曲がっている最中に。
それに気付いた時に体中に悪寒がはしった。
もしかしたら脳梗塞?脳溢血?
やばい、まずい、どうしよう。
止まれ!この目が回っているの、止まれ!
ちょっとでもシャンとしようと前を向こうとするけど自分の意思に反して
体がぐらぐらする。焦点が定まらない。くそっ!
再びハンドルにもたれかかる。そして気が遠くなっていく…。
くそダメだ、負けるな!
そうやってぐわっと目を大きく開けた。
───…やっと目の回るのが収まってきた。
時計を見る。
あと10分で次の家に配達に行かなければ時間指定に間に合わない。
急いでクルマを出そうとするが、さっきの衝動が蘇ってきて怖くなる。
また同じ症状が出たらどうしよう。
でも、行くしかない。
それが終わってから考えよう。とにかく集中だ。
何が原因でそうなったのか分からないけど、
その原因を作った奴に負けなきゃいいんだ。集中だ!
気合入れろ!柏城!
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配送先には1分前に到着して無事に荷物を届けました。
そしてあの症状の原因をじっくり考えてみたんですが…
もしかして「酸欠」?
配達っていうのは、思ったよりも体力使っているんですよ。
以前計算した事があるんですが
配達中の階段の上り下りは「サンシャイン60を2往復分」
歩数でいったら「約20000歩」も歩くボクには
マスクしていると酸素が足りなかったのかも。
マスクを外してからは症状出ないんですよね。
いや、想像ですけどね。治っちゃったから病院行ってないし。
あーでもあんなに便利なマスク手放したくないなぁ~。
原因がそれとは限らないし…。
そうか!かけてる時間を調節すればいいんだ!
お客さんの前では外しておくとかクルマに乗ったら外すとか。
うん、そうしよう。
…って本末転倒か。
でもアレ以来軽い頭痛が続いてるんだよなぁ。
コメント
薬を混ぜて飲むのはかなり危険な行為ですよ!!
下手すると化学反応おこして、障害が残る…なんてこともありえます!!
軽い頭痛が続いてるなら一度病院へ行くべきです!!なってからでは遅いんですよ…
お体を大切に!!宅配頑張ってください^^
ののさん、はじめまして!
なぬっ!障害ですか?
う~む、そこまで考えてなかったです…。花粉症って辛いんですよね。その辛い症状から逃げられるのであれば、もうなんでもする!みたいな感覚だったんですけれど…自重しますです…はい。
ところでこのお話は今年4月のお話だったんですけれど、いまだにめまいは時々起きるんですよねぇ…。やっぱり病院行ってみた方がいいんでしょうね。そろそろ自分の年を考える時期にきているかもしれません(笑)